FC2ブログ

もしも私が

やわらかな夜に 考える


明日の朝

私がいなくなったとしたら

あなたは泣いてしまうでしょうか

あなたは歌をうたうでしょうか


できれば 歌をうたってほしい



しずかな夜に 考える


もしいつか

私がいなくなったとしたら

あなたは泣いてしまうでしょうか

あなたは歌をうたうでしょうか


どうか 歌をうたってほしい


ささやかな翼のついた

青空みたいな歌がいい。

まぼろし

固く閉じた目の奥で

極彩色の花火が上がり

秋の真夜中

ふるえる心を抱き締める


音もなく

音もなく展開してく

その様は世界に似てて

私はいつも観客席

ひとりぼっちでそれを見ていた


燃え尽きて

かすかに部屋に残るのは

きっと

叶わなかった夢の匂い

交信

春の午睡は

他の季節と全然ちがう


青空を飛んでゆく

飛行機雲の 銀の音がして

向こう岸では

穏やかに家が燃えてて


なんにもなくて

なんにもなくて

頭の奥に

ほんのりと涙が溜まる


目覚めた後も

なんとなく呼び続けてる


もしもし

もしもし


わたし まだ

生きていますか?


深夜のがらくた

真夜中に

私の中の壊れたラジオが

宇宙の電波を勝手に拾い

じりじりと音を立ててる


怒り

どこにぶつけようか

焦り

誰に話そうか


わかってもらえるはずもないけど

最後の夜に

あの子が死んだ浜辺から

拾ってきた夜光貝

左の耳にぶら下げて


あの日彼女が飲み干した

薬の瓶の群青を

右手の爪に滲ませて


ひそやかに

いつかの罪を償おう


冷めたふりして

いつまでも祈っていよう


最後の夜に

私はきっと大都会にいて

私はきっと

暮れる世界の音を聴いてる


アクセス数
プロフィール

fuko

Author:fuko

季節ごとに読めます

    

リンク